2015年10月22日木曜日

『愛と勇気だけが友達さ』

今や国民的人気を得ているキャラクター、

「アンパンマン」

 1970年代、やなせたかしさんの描いた絵本から始まり、
 
アニメ「それいけ!アンパンマン」は長期に渡り放映されて、
 
誰もが一度は見た事があるキャラクターではないでしょうか?
 
幼児期のちびっ子達の大半は
 
この「アンパンマン」に夢中になり、
 
その後、プリキュアとか、戦隊ものに移行していくような、
 
お店に来る子達を見ると、そんな傾向が見えます。
 
 
その後、
 
何十年か経て、
 
大人になった時にもう一度
 
その物語の奥深さに気づいて好きになる作品だと思います。
 
 「アンパンマン」の正義は、
 
悪い奴をやっつける事ではなく、
 
お腹を空かせている人に食べ物を与えること。
 
自分の顔である”あんぱん”を食べさせるという
 
自己犠牲を体現しているヒーローです。
 
 
そして、
 
イタリアにも、ちびっ子に大人気なキャラクターがいます。




 「ピンパ」

 
赤い水玉模様の犬の女の子。
 
(始めてピンパを見た時、
 
犬とウサギを足して2で割ったような、
 
想像上のキャラクターだと思ってました・・。)
 1975年に登場。
 
フランチェスコ・トゥ-リオ・アルタンさんが描いたマンガです。
 
こちらもやっぱりアニメになったりしています。
 
物語は、
 
ピンパが同居人のアルマンドや、
 
友人達と過ごす、
 
ちょっとファンタジーな日常を描いています。
ピンパはとても気の良い、面倒見の良い女の子。
 
たまにダラダラ過ごしたり、
 
食べ物の好き嫌いがあってアルマンドに注意されたりもするけれど、
 
誰とでも仲良くなれるし、
 
何より困った人を放っておけません。
 
友人でも、そうじゃなくても、
 
最後まで最善を尽くして助けます。
 
時々あるのが、
 
アルマンドの為に食べ物を用意しようとすると、
その食材や、食べ物と友達になって、
 
結局食べずじまいというオチ。
 
アルマンドも「ざーんねん。」で終わり。
 
なんだかクスッと笑えてほんわかしてしまいます。
 
 
 
たくさんあるお話の中で好きなのが
 

「ピンパ と オリヴィア・パペリーナ」

★パペリーナはガチョウの子供の事です。
 ある年のクリスマス、
 
サンタさんがくれたプレゼントの一つに
 
ガチョウの赤ちゃん”オリヴィア”が入っていたところから始まります。
(深く考えちゃダメですよー。これはファンタジー。)
 
イタリアの四季を通して、
 
ピンパやアルマンド、そして周りの友人たちに囲まれて
 
オリヴィアが成長して行く1年を描いたお話。
 
すごく優しくて温かい内容です。
 
これ、
 
イタリアやイタリア語を学ぶにも最適だと思います。
(昔NHKの「イタリア語会話」でも登場していたし)

あと、途中にちょくちょく入ってくる挿入歌が秀逸です。
 
興味のある方はちょっと探してみてください。
 
日本でも放映してくれたら嬉しいのですが、
 
やっぱりあのビビットな色使いが
 
インパクトあり過ぎなのでしょうか・・・?
 
逆に、
 
「アンパンマン」も
 
イタリアではまだ知られていないかもしれません。
 
日本のアニメはたくさん放映されているというのに。
 
やはり「あんぱん」という
 
日本独自のパンというのが壁でしょうか?
 
イタリア人は豆を甘くして食すことに抵抗がありますしね。
 
直訳すると「あんぱん男」
 
イタリア人ならもう訳の分からない存在なわけですよ。
 
意外と天丼マンの方が人気が出るやも?
(昔からバタ子さんの押しの強さが気になる私。)
 
イタリアで放映の際には、
 
イタリア語で構わないからオリジナル主題歌でやって欲しいですね。
 
あの主題歌あっての「アンパンマン」ですから。
 

”愛と勇気だけが友達さ”

 
お店を始めてからいっそうこの歌に共感してしまうのです。
 
 
「アンパンマン」も、
 
「ピンパ」も、
 
人の基本的な優しさを描いている作品だなと感じます。
 
そういう作品に、
 
幼い頃に出会えるというのは
 
とても、素敵な事だと思えるのです。